*
こらえ続けた
永い人生から積み重なった心の開放へ
静かに静かに序奏のように寄り添うと
ことばが
一つ、二つとゆっくりゆっくり過去をひもとき語りだす。
・
それまで”がんじがらめに固めてきた黒い塊”が
パーカッションの連打のように
涙と共に鳴り響き、
やがて
四分休符の誘いにほっとしたように、
*
重い心がほんの少し解き放たれると
また、
軽やかなフルートの音色を思い出し
親や兄弟、子供らへの感謝が湧き上がり、
それが
長い間の支えとなっていたように
やわらかな笑顔が戻ってきた。