あの手この手からの拒否
老いては子に従えというが、
実の母は、まったく違う!
母の暮らしの安心を問うが、その安心を買うのは子のほうであり、
昨年より少々厳しい言葉と、優しい言葉の交互を届け
あの手、この手で歩み寄り
ついには猫2匹と一緒にこちらへと譲歩しても、
懐には奥の手が用意され、
「いや、猫は家につくというからここは離れられないわ!」と。
*
戦争、戦後を生き抜いてきた母には、
週に1度、ヘルパーさんが来てくれる生活の中では、
全く不自由を感じてはおらず、
介護保険の認定では、生き生きと答えた様子で
「この年代で珍しい」と褒めれた言葉が生きる支えになっているようだ。
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確かに、できないことを調査するのが介護保険の認定調査であり
気持ちが落胆する人もいるが
母は、要支援1がやっとの状況であった。
だが、母の遺伝子は見事に自分に継がれていることに
よく似ていると思う自分がおり、
未来の自分を見ているようでもある。
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この次は、どの手を使おうかと
親孝行の姉と遠距離電話を交わしているが、
強行突破は止め、子からの納得する言葉を今後も続けていこう!
そこに尊厳があるのだから。