おもしろい言葉は脳を活性化する。
廊下で歌をひっそりと一人で唄う。
アルツハイマーのTさんが、にこにこと人形を抱きながら近づいてくる。
廊下をゆっくりと、ゆっくりと物静かに歩いているSさんが、
じーっと見つめている。
刺激を送り表情の変化が少しでも現れるようにと、
目線を外さずに歌を届ける。
5曲目で、踊るしぐさを見せていただける。
しかし笑顔がない。
反応に随分と時間がかかるようになっているように思われる。
そこで、鏡でも見たくない究極のおもしろい顔を届ける。
一変に表情が崩れ笑顔になる。反応が早い。
そこへレビー小体型認知症とアルツの合併と思われるHさんが、
先程からスタッフの手を引っぱり、意味不明の幻視からの言葉を歩きながら届けている。
明るいリズムの歌を届けると、表情が明るくなる。
「もしかしてミスユニバーサルの方ですか」・・と冗談を言うと、
会話が通じなかったHさんが、
「そうですよ!」と、はっきりと、どこか凛として笑顔で応える。
「こちらは」と手をつながれているスタッフを指さすと、
上手く言葉が出ない様子に、
「いもユニバーサルさんでしょうか」と伺うと、
「そう!そう!私もそれを言おうと思っていたの!」と、笑顔で意味がしっかりと通じる。
本人も、いもユニバーサルのスタッフも大笑いとなり、
そばで見聞きしていたS子さんもゆったりと笑顔である。
アルツハイマーのTさんは、天まで届くような大きな声で大笑いになる。
だれもが、おもしろいことには反応がとても良い。
笑いは、体操のみならず、
笑いを引き出す”言葉のかけあい”も大事であることが証明!
本物の漫才を目指そうかな・・