代弁者
痴呆症から認知症への呼称の転換は
見事なほど
人々に知り行くところとなり
すごいことだ!と行く先々で感動させていただくが、
しかし、認知症という病気が原因で
家族や住民らとの関係の悪化が
本当は認知症という病気であることを知る人は
まだまだ、少ないように思われる。
家族関係を遮断され
地域の住民等との関係も遮断されている状況下において
「それは、認知症の中核症状から周辺症状が強く出ているんだよ・・病気なんだよ」と
伝えると
今までの表情は一変し
「そうですか!そうだったんですか!!
早く死んでしまったほうが良かったと家族中が思ってました」と、
夢から覚めたように、
言葉少なに、
ゆっくりと過去をふりかえりながら、
看病疲れで亡くなった母さんを思い出しながら、
『知らなかった!」
「弟にも伝えよう」と優しい表情で言っていただいた。
今、家族中が地獄の苦しみの中で
誰が本当のその人の代弁者になるのか・・
地域において
認知症を学んだその一人ひとりが
話を聞かせていただこうと思う行動の積み重ねが
本当の意味での地域の手助けとなり、
学びは誰かの為に活かし活かされたときに
互いに人は生きる力を得ることができるのだろう。