現場発信
入居中のAさん、
急に走りだすが周りの対象物が目に入らない。
目の前の人が食事中であっても
横が空いていても、
長いすが座る場所が無くいっぱいであってもぐいぐいと押しのけ座りだす。
しかし、このような症状も病気である。
アルツハイマー型認知症と診断はされていても、
転んだこと、
頭部の打撲等
何らかの原因が重なり高次脳機能障害を引き起こす原因となるものが
80年以上の人生の中においてはあったかもしれない。
バリント症候群と症状が類似している。
しかし病名はつかなくても
現場では対応が求められる。
その人がそのような症状が著しくなる場面とは
便秘・脱水・排泄が上手くいかず不快感からの行動へと・居心地・そのときの環境・眠りの場を探すが自室ではない。
体を預ける安定する場所がない。
★★★対策から★★★
(1)生活感が感じられる空間で、それなりの音があり他者の目線を遮断できる環境。
(2)他者に影響力無く、安全に走ることができエネルギーが消耗した後に安心・安全が保つことが出来る位置への環境設定。
(3)(2)の場所で安心を保つ道具として大型のバスタオルをゆっくりと安心感を与えながら渡す。
(4)受け取ったAさんは頭から大きく包み込み、安心・安全な場所でひと時の安らぎを感じ脳を休める眠りへと数十分入る。
(5)非言語的コミュニケーションを使い、覚醒後は、はっきりとした大きな笑顔で目線をあわすとやはり大きな笑顔と言葉にならな
い言葉が返ってくる。穏やかな空間である。言葉はいらない。こちらが幸せを感じさせていただける。
居心地は現場の工夫から始まる。