現場発信
介護現場では、
入所時には一日中、不安から何度も転倒しそうな移動場面が見られ
介護スタッフらは片時も気を休めることができず、
一日中、自室からスタッフを呼ぶ音や声が聞こえていた方でも、
個別の対応が落ち着きを取り戻し、ゆったりと生活をするような場面が訪れることもある。
皆さんとの食事も拒否され、
一日のほとんどを自室で介護スタッフとの支援程度で
他者とのコミュニケーションが図れなかった方でも、
落ち着いた表情や態度から
本人を自室から少しずつ他のご利用者の近くの距離に誘導すると、
滞在時間が5分〜10分へと延長し
その誘導は、皆さんと同席となる位置にまで縮まり
今では朝の体操の時間へとつながり
朝の大きな声や笑いの体操に「楽しい」と声を出して笑い
今では「私にも歌の紙頂戴」と
しっかり目で見て頭で考え声に出しメロディーをつける。
元気な方には単純作業であるが
認知症が進行した人々にとってはたくさんのエネルギーを必要とし
歌の一曲からの疲労感は心地良い疲労感となって
活性化後には数十分の臥床となり疲れた脳を休め、
午後から元気に自室から登場していただける。
このような一連の場面の記載と
今後の方向性への気づきの記載からモニタリングの場面では、
成功・失敗時のお誘いする前のご利用者の気分
周りの環境
誘導する言葉かけ
健康状態の確認(排泄含)
家族も含むチーム全員の目的把握により
★
それまで
自室に閉じこもりがちで家族の顔も忘れていた方が、
今では、帰り際の娘さんに「ちょっと、ちょっと」と耳打ちし
「皆さんにきちんと挨拶をして帰りなさい」と
親の場面まで復活させる。
個別ケアから
ご近所のような少人数のケアも現場では大事であり、
今までとは違う支援の状況時の
経過・困難・成功等、
ポイントに視点をあてた日頃の支援経過がものを言う。