母さんへの話
4歳の孫の動きは昔のぜんまい仕掛けの玩具のように
疲れないのかと思われるほどの動きっぱなしの行動となる。
しかし、国内では
もっと低い年齢で見事に落ち着きを取り戻す教育に取り組んでいる幼稚園もある。
昨日、4歳の男の子に「いつまで動きを我慢できるかな」と話すと、
彼は
足のつかないイスに座り背筋を伸ばすと、
両足の膝を自分で押さえ、
周りの「偉いねー」という言葉に支えら れ、
予想以外に随分と自らの動きを止めることができた。
電車やバスの中でも子供には立たすようにという教育があるが、
これは、物事に耐える人間つくりと
体の平衡感覚を身に付ける大事なしつけであるという。
また、幼いうちから欲しいものが手に入る環境は次々と
欲望だけが強くなる。
物が無い教育は我慢強く、
我慢してやっと手に入れたものを大事に丁寧に扱うことができる。
大人になった場面で必要な「我慢力」という宝には
親は手を差し伸べることはできず、
★
幼いうちに自ら身についた「我慢力」は
様々に襲いくる人生の荒波にも乗り越えていけるようにも思われる。
同様に、選手にはなれずとも、
野球等の下積みを続けてきた少年等にも同じような力が身についているのだろう。
確かに背筋の伸びた教育は健全な心が宿るように思われる。
〜森信三師、朝の読書から〜