現場で年長のスタッフが伝えることは伝承になります。
福祉の現場に就く人達は、金銭よりも人の為に働きたい、他人の役に立ちたいと意思をしっかりともって業務に励む人が多くおります。
しかし、現場おいての実践では、この人にはこのタイプの対応方法という決定づけたマニュアルはなく、利用者との関係の中でスタッフはストレスを感じることが多くあります。
利用者様の問題解決に向けた情報収集や育ってきた背景・歴史を知る事も重要だと考えさせられる場面が多くあります。
食事の場面から考えますと、配膳された後、急に高齢の男性利用者様が不機嫌になり、そのスタッフに対して怒りを表す場面がありますが、対応したスタッフには何が原因なのか分かりません。
配膳されたメニューを見ますと、皆さんと同じなのですが魚の部位が尾の部分が配膳されていました。
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昔から、頭のついた部位は家の”主”が食する部分であり、尾の部分は子供や台所を守る嫁が食べるものと育ってきた利用者様にとって、侮辱を受けたような気持ちになったのです。
若いスタッフには何で怒っているのか全く分からなかったという場面は、このほかにもたくさんあるのでしょう。上手く言葉で言えない利用者様は、我慢をしていただいている事がたくさんあるのですね。
せめて、先に生まれた私達、年長者が現場で伝えていくことも大事なことです。
役職がついていなくても、40代50代の人達が経験してきたこと、失敗したことを現場で伝えることにより若い世代とのコミュニケーションが生まれ、働きやすいよりよい環境が整います。働きやすい環境は利用者様の居心地も良く落ち着きが生まれます。