“ヨモギ”とり
年老いて出合った気の置けない仲間と
会話は途切れることなく続きあい
ときには子供の頃のように畑や土手まで蓬を取りに行き
弱かった足も春の柔らかな大地の上をしっかり踏み込みスムーズに動いている。
(計算・手指の働きと相手への予想)
(井戸端会議と色彩を考えながらの手先の働き)
(満足感と達成感)
普段は思い出さない母親や幼かったわが子を思いだし
「それでは、蓬餅をつくりましょうか!」との掛け声に、
一昔以前に作った蓬餅をおぼろげに思い出そうと努力をしているが、
手先は器用に動きだし、
楽しく過ぎ去る時間は駆け足でおとずれ
想い出から食した現実に心もおなかも満たされた。