頑張らなくていいんだよ、Hさん
昨日、入所されているHさんのご近所の方が面会に来ていただけました。
いつものHさんは、会話が成立するのは困難な状態なのですが昨日は違いました。
「近所の○○です。」とご挨拶をいただくと、Hさんの顔つきが変わりました。
懸命に思い出そうと努力をしている様子がわかりました。
力をふりしぼり満面な、よそ行きの笑顔と共に「ご近所の方・・・あー・・・お世話になりました。本当にお世話になりました。」と今のおかれている環境と、今は懐かしい世話になった地域にいない事を理解されているかのように、何度も何度も挨拶をされてました。
狭いホームの中から聞こえてくるHさんの声を遠くに聴きながら「そんなに、無理しなくてもいいんだよ!Hさん!!」と側に駆け寄りたい気持ちでしたが・・・
Hさんは、3分ほど笑顔を絶やさずに頑張ることが出来ました。
前頭葉に梗塞があるHさんです。
お帰りになって数時間後には、緊張した思いは大きな独語となって発散をされていました。
ご近所の方も、どのような所なのか十分に理解されていらしていましたが、
これからの正月の帰省時など、在宅の認知症を患っている方との訪問時には、このように短時間であれば受け答えも明瞭であり認知症ということが理解されずに遠方からいらした家族の方には理解できずに、お帰りになることもあるのでしょう。
認知症という病気は、誰でもなりうる病気であり、驚かず騒がず、在宅で介護している介護者の気持ちを尊重し受容することで、認知症の人自身も落ち着くことが多くあります。
受容は、認知症でなくても人として互いに大事なところですね。
そういう私も、まずは相手を受け入れ受容することから次のステップへといかなければいけないですね。・・