９１才の冬から春への転換

一人で自宅にいると気は使わないけれど、

心も体も次第に、だんだんだるくなる。

おもいきって外に出てみると

桜や花が一面に咲きみだれ

「こんなに季節は変わっていたのだ」と初めて気がついたと言う。

・

♥

「元気に声をかけていただいた友人も次々と周りにいなくなり、

家の前を通る子供もいない。

学校に通う子供もいないんだよ。

長生きするのも苦しい」と、

91才要支援１の人のことばである。

・

電話の向こうから心配させまいと、

元気な様子に「あー安心だ」と一方的に判断されるが、

冬の閉じこもりのまま、

食欲もなく倦怠感を訴え、

心の風邪をひきかけている人が多いのかと思えてくる。

・

♥

遠方の家族でも

ときには

だれかが、

そっと

外へ誘ってくれるだけで要介護へ進まなくなる人がたくさんいるようだ。

・

冬から春になったことを告げに行かなければならない人が

周りにもたくさんいるのだろう。