身延山から
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さぞ苦しいであろう
さぞお困りであろう
死んだほうがましだと考える
その心持ちもよくわかる。
だが 貴方よりもっと苦労しながら
立ち上がった人がある。
もっと困っていながら切り抜けた人が
絶望してはならない、
人生には必ず活路がある
人を呪うよりも自分の在り方を反省することだ。
自ら築くことに努めることだ。
そして神仏に仕えるつもりで
人々に奉仕すれば人々を幸いに
するとともに自分が幸せになる。
善人は人から重んじられ
正義は人から尊ばれる筈である。
燃し善人なればこそ悪人にきらわれ
正義なればこそ不正の輩に却けられる。
善人必ずしも重んじられず
正義必ずしも尊ばれない
だが悪人にして栄えたためしなく
不正にして誉れを得たものはない。
重んぜられずともよい
私は善人でありたい。
尊ばれなくともよい
私は正義であることを欲する。
見延山 第九十世 日勇上人