生きる

癌と告知

癌という病気は次第に体が弱り、

その病気を受け入れるまでの期間は、

外からは察することができない表情と、

しばらくしてからの、

いらだちと葛藤!

一定の時期を過ぎ、

体が次第に弱ってくる時期の

周りの人の優しさを肌から吸収するように

穏やかに受容へと心の変容が伝わってくる。

これは認知症と診断された人、

本人や家族が乗り越えていくプロセスとよく似ている。

家族が癌と診断され

それが兄弟であるならば、

怒りも直球で飛んでくることもあったが

実の兄弟だからこそ

やっぱり告知していただいて良かったのだ・・と、

いくつもの山を乗り越え、

時の過ぎゆく時間を

互いが思いやりの時間となってくる。

本人は驚きの方が強かったが医師の話を受容できたようだ。

この痛さを感じる本人や身内にとっては、

とても医師からスマートに伝えていただき感謝が募る。

◆◆◆

随分前の事であるが、

遠方の義理の兄は、『来年の今頃は初盆!』と。

本人の驚きと葛藤と妻の驚きから、

ダメージを受けている夫への慰めへと。

病院から帰り時の二人の姿を思うと今でも涙が出るが、

家庭の中に大きな津波がきたように

大変、混乱した期間を過ごすこととなってしまったのは事実である。

*

それぞれの医師の考え方があり、

良いとも悪いとも言えないが、

言えることは、

告知時には、

人として、少しの思いやりが必要なんだな・・と

介護現場で接する自分等にも

慣れることからの相手へのダメージを気をつけなければ・・と

この二つの体験を対比させ、

身内の痛さから学ばせていただいた。

この経験を知らんぷりするのはもったいないから。

★★★

**********

佐藤雅彦さん

認知症を患う本人からの発信です。

昨日、送られてきたメールより抜粋です

☆☆☆☆☆

生きる指針

自分の能力を信じて人まねではなく自分の人生を生きる。人生は自分が主人公。悔い
のない人生を送る。

Life Guidelines Trust in your ability and live your own life instead of
copying that of another. You are the hero of your life. Live life without
regrets.

試練には必ず脱出の道が用意されているのでどんな試練に負けない。どんな試練に
あっ ても希望を捨てない。向上心を忘れない。発展途上の人だと思う。

Don’t surrender to hardships as there is always a way out for any ordeal.
Don’t abandon hope despite any ordeal. Don’t forget to improve yourself.
Believe you are under development.

失った機能を数えたり、嘆いたりせず残された機能に感謝して生きる。

Live your life by appreciating your remaining functions instead of counting
and crying over the functions you have lost.

人のために時間を使う。もらうことより与えることに喜びを感じる。

Use your time for others. Feel pleasure in giving instead of receiving.

金は貯めるだけではなく生きたお金の使い方をする。

Use your money for meaningful things instead of just saving it.

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