猫は家につかず餌につくのである
95歳、間もなく96歳なる母だが、随分と前から年齢を聞かれると一つ多く答えている のである。
自分は、この次は97歳と思っていたが実は7月にやっと、96歳になるのである。
ある年齢を過ぎると自慢気に伝える理由があり、
多くは、お褒めの言葉をいただくことが多いからのようである。
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母は、一人で1時間以上離れた場所に住んでいたが、
『どこにも行かないから、介護を受けるのは嫌だから』と
介護保険も受けずに自立のデイと
ヘルパーさんの訪問以外は誰にも会わない状況であったが、
コロナと同時に閉鎖となり週に数度の配食のみで、家で猫と話しながら
ゴロゴロ過ごしていた。
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(一見、元気な超高齢者は、住みたくても田舎で住み続けることは難しい。新しいシステムつ
くりが必要だ!人口減は明らかだ!)
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兄も亡くなり気落ちもあり、体調を崩してしまったが、
北見へ連れてくるにも屋外を自由に出歩く猫2匹が敵をみるように構えていたのであ る。
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更には、商売をやっていた工場や店舗を兼ねた家の後始末の事
仏様の事など、
三人兄姉の三番目に巡り巡って大当たりでやってくることになったが
特典は何もない!
『これも自分に与えられた使命か』とやっと割り切るが、
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父親が亡くなってから名義の変更もしておらず、
建物の税金も今でも母と亡き父親の名義で来るのだ。
これを老いた人々が行うのはとても難しいと思いながらも、
インターネットも一部該当せず、
電話もつながらない状況が続き、最近やっと転出からの解約ができたところもある。
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一つ、ひとつなりふり構わず、
金銭がかかる家の壊しは、ビジネス的に割り切り、
母の持ち金ではとうてい壊す代金も補助が出ても間に合わず、
最後には請求は自分のところへ舞い込んでくる。
『一人では大変だな!』と手助けしていただけたのはご近所の幼馴染であり、
偶然にも家を壊す仕事の課長さんであった。
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なんと数百万円ちがうのである。
少しずつ片付けに入り来春には片付く予定であるが、
多くの責任のみが来た自分にとっては、
感情をなるべく入れず、
ゲームのように片付けていくのみの心境である。
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猫は獣医さんも、家につくから連れて行かない方が良いとアドバイスを受けたが、
猫は家につくのではなく、
餌に着くことが判明だ!
今や、2段の檻の中でそれぞれ檻越しに顔を見合わせ、
手をのばしえさを取ったり
それまで避けて通っていた猫が、人(^^)が変わったように、
通ると甘えた声とゴロゴロと喉をならし、
手を差し伸べてなぜてくれというのだ!
やっぱり猫は餌につくのである。