認知症を患う〇子さんから学びをいただく

最近、行動面、食欲など変化がみられてきた○子さんです。

もともと静かで上品な方ですが、ここ数日とくに気分が塞ぎがちになり

居室で寝ていることが多くなりました。

 

食事量も減退です。

 

現場とカンファレンスを行い、

ご家族にも○子さんのチームの一員として

声の便りのお願いです。

 

 

ご家族は、快く受けていただき

「遠慮していたんです。忙しいのにわるいかな~と思って」と。

『いえいえ、全職員に周知していますので何卒宜しくお願いします』と依頼です。

 

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同時に、お部屋にある○子さんのこれまでの人生の写真を活用です。

ベテランの介護士ですが、写真導入は久しぶりの対応のようです。

仕事が早く1時間後には報告の電話です。

 

『施設長、それまで話しかけても、無言だったのが

笑顔で話していただきました!やっぱり写真はすごいです!』と、興奮気味です。

 

しかし、これは、ほんの一時的なものにすぎません。

本当に見たい写真はどれなのか、

しみじみする心地よい写真はどれなのか、

また、思い出したくない写真もあるかもしれません。

ここからの選択からの継続支援が重要となってきます。

 

 

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そのまま、

ほっておくと、

認知症の病気と共に、気分の低下から意欲が減退し更に進行に拍車をかけます。

 

介護現場が踏ん張る場面であり、

少しの手間をかけることで、これが仕事のやりがいとなります。

現場からの全職員への学びでもあります。

 

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また、介護現場でも、学校でも、国会でも、

危険に陥る場面は、

多くの声の陰に隠れている小さな声に真実があるということでもあります。

 

 

 

 

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介護現場の○子さんの、意欲の減退は

「わたし甘い物あまり好きじゃないの」という、声でありました。

90%の人が、甘い物に喜んでいましたが、

ことばに出せなかった○子さんは、

甘い物が出るたびに辛い思いをしていたのでしょう。

 

ここからが、本当の嗜好調査の始まりです。

 

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視ていても見えないもの

そばにいても感じ取れないもの

聞いていても断片的でつながらないもの。

 

 

(折れた菊、元気に育っています)

 

 

自分は、世界が歓喜する場面であっても

尊重しながらも冷静に判断する必要があり、

叫べば叫ぶほど、

窮地に追いやられる弱者がいる事も感じ取れる感性が必要と

認知症の○子さんから

ふと、思い出る時間となりました。

 

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