料亭跡の自然林に住むエゾリスと木々との会話

 

100年以上見守ってきた木々は盛んだった当時を懐かしく思い出し

人馬一体となって荒れ地を開拓し農業が築かれ

原始林であった地は、

伐採から林業で人々を潤し

森林軌道から大量に輸送が盛んとなり

大勢の働き手が各地から集まり

 

戦前・戦後には亜麻工場や水銀鉱山が操業し

当時の留辺蘂の地は

数万人の人口へと栄える時代があったことを

愛しむように語りだしました。

 

 

 

今、

当時の料亭跡には、

池があり

美しかった庭園は

自然林と化し

 

渡り鳥や

えぞりすが半纏を着て忙しそうにお客様の来る日を待ち焦がれ

 

唯一の新客は、

春の良き日に

北海道割引券も持たず

 

流行り病を避けようと、

それぞれに予約を入れ

 

小さな団体となって

 

明治20年代に、

網走監獄の囚人によって拓かれた中央道路に

心からの感謝を届け

『やすらかにお眠りくださいね』と労い、

 

料亭横の洋館風の佇まいを訪れます。

 

 

 

100年以上見続けて来た木々とは、

いつものように

背を伸ばしゆっくり空を見上げるように会話し

 

ご近所さんの

米よりも高い

ひまわりの種を奉仕する紳士に丁寧に礼を告げ

 

 

 

 

 

丸く太ったエゾリスに

「お客様は、まだですよ。今のうちに少しお休みするのはいかがですか」と言い

 

遠くで見ているカラスには「やさしくするのだよ」と小言を唱え

太陽と木々と

ゆっくり一日を過ごします。

 

 

 

引用 北見市歴史より

 

 

 

 

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