認知症相談から
先日、ある場所で認知症についての相談がありました。
「施設へ入っているが、夜中に迷惑をかけいるらしい。
職員さんに迷惑をかけているようだ」と聞き、
「認知症の人の前でそのような話の展開がされてはいないでしょうね」と即時に伺いました。
認知症は特別な病気ではなく、
自分がされて嫌な事は同じように嫌なのです。
自分の前で息子さんや娘さんにこのようなことを伝えられたら、
どのように思うでしょうか。
それを聞かされた家族は、
その施設へスムーズに足を運ぶことができるでしょうか。
元気に笑っている親と面会し、
「大きな喜びを得た。良かった」と涙する家族の気持ち・・・
「家族が面会に来ないんですよね・・」と研修でよく言われますが、
自分が認知症になったときに、
どの様な介護を望むのかを考えると、
特別なことではなく、
普通に考える一般常識を伝えていくのが一番のようだと、
研修の度に思います。
上記の「夜寝無くて困った」という課題から、多くの解決策を思い浮かべることができますね。
今の状態を伝えることは大事であり、
「同時に対策をチームで支援させていただいております。もう少し時間をください」と伝えることで、
家族もその人を支えるチームとしての共通認識へと発展することができます。
また、言葉には言霊(ことだま)が入り、
話したとおりの結果が現れるといいます。
頑張っている姿、喜んでいる姿を届けると、
側で聞いていた認知症の人達も喜びにあふれ、
家族と会えた嬉しさと褒めていただいた嬉しさで乾いた心が潤いを取り戻します。
「認知症ケアは、介護するその人の本質が現れるもの」と日々鍛錬させていただいています。