人生を生ききるには、互いの支えが必要
100才!
100才を迎えるのは、容易なことではありません。
義父に何とか、100才まで生きていただこうと兄弟で受診、往診を繰り返させていただきましたが、99才で命が絶えてしまった事を思い出します。
人には生きる役割があり気楽に過ごしたよう思われていた義父もグループホームにおいてターミナルという体を張って私達に教えていただいたことに、今ターミナルと言葉が慣れ親しんだ今だからこそ日毎に感謝がつのります。
2番地のKさんも、ようやく神様からお許しがでたのかターミナルの準備に入らせていただきました。
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Kさんの100才という年齢があればこそ、認知症という病気を患い共に戦い傷ついた心を癒す時間が必要だったのです。
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多くの認知症という病気は介護を必死で行っている相手に対して毒舌をはくなど、在宅介護者の心をやり場のない心にしてしまう精神的ダメージの強い病気だからです。
今、ようやくKさんと家族は認知症という病気から解放されそうです。
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介護家族を支えるには、それぞれの家族の役割が必要であり長いこと認知症と戦った家族はKさんを囲みながら会話をする事ができた回数と比例して笑顔が多くなってきていました。
昨日の新聞からも家族介護からの肉親の事件が記載されていましたが、側にいる身近な人、事業所の早期の気付きが大事であります。
友人との会話から、どこへ相談に行ったら良いのかわからないと言う言葉がありました。
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相談は、市町村の地域包括支援センターや役場の福祉課、介護保険事業所でも丁寧に答えていただけると思います。
また、遠くの親戚より近くの他人と昔から言われるように、隣人の優しい眼差しやことばかけが、介護者の疲弊した心を癒すこととなり、大きな事件を回避していることを地域に暮らす人々として知らなければならないと思います。
人の心は強くはありません。互いに支え合うことができるから人なのでしょう。
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人として同じ言葉を聞いても、皆同じではありません。痛みを強く感じる人、何度も言われてようやく心に感じる人、人は自分の心の感じ方を知ることも大事なのでしょう。
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心を大事にすると必ず時間がかかっても相手に届きます。
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言葉を丁寧に活かして相手の心に届く言葉を使うことが、ひいては自分の心を豊かにする事なのですね。