食べ物の影響は強い
グループホームご利用者のAさん、
大きな大きな笑顔である。
「いやー3年ぶりでここに来たけど、
ここはいいわー
いやーいいところだ。来て良かったわー」と
玄関先から顔を見つけると素早く言葉を届けていただいた。
すでに入居され3年は経過している。
「いやーよかった!来てもらってよかったわー嬉しいわー」と
大根役者になってその気持ちに沿うが、
うーん、何がそのように作用したのだろうと、
同時に個人史がうかんでくる。
Aさんが認知症を発症する前に元気に働いていたのは魚屋さんである。
ラーメンの横には、
なんともふつりあいであるが、
刺身が用意されている。
ラーメンも、刺身もAさんのお気に入りであり、
元気な頃の感情が伴った食事の時間であったのだ。
認知症介護指導者育成の個人研究の中で、
確か「希望する食時の提供と血圧などの健康への影響」から
感情の推移と行動面をテーマに
楽しく研究をさせていただいたが、
現場職員にも協力をいただいた検証が浮かんできた。
今再び8年ぶりに、メニューの中に個別の感情を引き出す配慮も必要であることの
実証をいただいた。