縁の心を織りなし建物に魂が入る
皿を買う
冷やしソーメンの器を買う
しゃもじを買う
一つひとつ
使っていただける人々の映像を動かす中に
心が
すーっと入り込む。
段ボールの食器を何個も運んでいると
顔見知りの
家族連れのケアマネさんから、
「手伝いますか」と菩薩様のような声をかけていただける。
*
あったかい言葉と、
やさしそうなご主人の笑みもいただき
ふわふわした心もちで足取りも軽く
鉄腕アトムのように軽々と荷を持ち夜は布団の中へ直行だ。
・
小さな企業の福祉は
無駄を省き
明るい環境をつくろうと
直前まで居間の壁の色や
ひっそりと余韻を残すシャンデリアの選択に
何度も何度も話し合い、
現場のスタッフは
一人三役の働きで
コツコツと
屋台骨を支えてる。
***
人生最後の章の安らぎを得ていただく為に
工事現場のスタート時には、
残雪をかきわけながら
フォークリフトを動かしていた人も
土台をつくっていただいた人々も
30度を超す暑さにも耐え
屋根や
“若返りの湯”のタイルを敷き詰めていただいた人にも
「ありがとう」の感謝がいっぱい湧き上がる。