話す。生まれる。組み立てる。

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話す

もう、上手く会話がつながらなくなった利用者様のことを、

遠方の家族様等にお集まりいただき、

真正面から

管理者等も参加し今後の方向性を話しあう。

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誰もが本音で飾ることなく

次から

次へと話す。

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すると、

これまでの遠方のかかりつけ医の診断書にも、

地域包括からも、

どこにも

誰からも、

情報が届いていなかった脳梗塞の既往まで知らされてくる。

脳の前の方の血流が悪いと言われた・・とも。

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見えてきた、

見えてきた、

だから、

あの心の動きや、急激な行動や、

せん妄、歩行のバランスが悪くなるのも理解ができる。

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今、互いが真剣に向き合うと、

迷路に迷い込んだ場に一本の明るい道筋が見えてくるようだ。

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お元気なときに押し込んできた出来事が、

認知症と言う病気になり

鍵がバッサリと朽ちて落ちたように

パンドラの箱から

辛く悲しい出来事が走馬灯のように今、再び襲いかかってくるのだ。

悲しい叫びも

悲しい言葉の意味も理解できてくる。

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自分等は、その情報から

組み立て

介護者の心が納得し、

支援が開始できるのだ。

何も情報が無い事は真っ暗な場に住むその人へ支援を届けていることであり

介護者の神経がズタズタに消耗するだけなのだ。

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知る事は、

見えることにつながり、

それは、

介護者の納得にしかならないのだが

その納得を求めて介護は継続できるのだ。

***

話し合いの時が過ぎ行き、

それまでの張り詰めた雰囲気から、

その場に

やんわりとした空気が漂いだし、

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誰ともなしに

子等は

親の過去をふり返り

自分等の過去をふり返り

今を生きる場を見つめなおし、

家族が互いの人生を認め合うと

その話し合いの輪には暖かな陽射が差し込み、

帰り時には笑顔が生まれていたが、

その笑顔の下地には、

前日の

精神科医師からの根気ある説明からの納得がベースとなっていたのだ。

医師も含むチームケアとはこのようなことなのか。

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人の人生は複雑で

過ぎ去った過去であるのだが

そこにあった戦った感情は、

まざまざと生き続けていることを教えられた。

聞く事は、他人事ではなく誰にでもある人生にピントが合ってくるのだ。

ここにも、

あの場にも、

もっともっと足を運ぼう。

ありがたい。