あせらず、どうぞごゆっくり
Aさん、90代前半
本日のバイタル 36,3度、135/75.脈50、酸素濃度96%
本人の希望
「食べないときは、たべない。食べるときは食べる。自由にさせてくれ」と
ここ数年間で、何度も血圧低下や食欲がわかず、
現場は何度も医師と訪問看護、家族様と密に話し合い
『今回がいよいよ最期か』と、幾度も遠方から集まり、
好きなものを持参し優しいことばをたくさんいただくと、
「すまんな」と。
(昨日、今年初めて発見!携帯を出すまでじっと待っていただけました。感謝)
その後は、見事に回復の兆しが見え、
現場は、水を得た魚のように本人が大好きな「甘酒や、あんこ・芋もち」をつくり提供する。
家族も今が最期かと思う感情が遠方からも、
周りがコロナ禍のときもお越しいただき、
防護服を着た面会や、1F居室窓開けからの面会に訪れていただいていた。
会うたびに「がんばれよ」と優しい言葉をかけてお帰りになると、
スタッフから『食慾出ました。』との送りから、
「みなさん、起きているの~ご飯たべたいです」と、本人からの訴えありました。と。
こちらの三度の時間は通用せず、あくまで本人主体の希望の時間と量で
命を長らえている。
『こんな面白いこと言っていただきました』と。
人対人の、人情の機微にも触れさせていただける。
医師からも『好きなものを食べさせてください』と指示があり、
本人の希望がどんどん叶っている。
この事例も、まだまだ寿命が続くと思われるAさんの
尊厳死前期の支援の一つなのだろう。
あせらず、どうぞごゆっくり。