古(いにしえ)より忠心義士(ちゅうしんぎし)誰(た)れが益(えき)の有無、
功(こう)の有無を謀(はか)りて後(のち)忠義(ちゅうぎ)したか。
時事を見てたまらぬから前後を顧(かえり)みず忠義(ちゅうぎ)するではなきか。
(安政六年三月一六日以後「入江杉蔵あて書翰(しょかん)」
〔訳〕
昔から、忠義の武士や節義を堅く守る武士のうち、
誰が自分の利益になるか否かを考えて忠義しただろうか。
してはいない。
その時の時勢をみて、たまらないから、後先も考えずに忠義をするのではないか。
吉田松陰 一日一言