介護保険制度の見直し(素案)
介護保険制度の見直し(素案)】
○厚生労働省老健局
第36回社会保障審議会介護保険部会(2010.11.19)資料
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000wspu.html
資料1 介護保険制度の見直しに関する意見(素案)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000wspu-att/2r9852000000wsww.pdf
.介護保険制度の見直しについて(抜粋要約)
[税金の負担を増やすことはできない]
・介護職員処遇改善交付金は2011年度末で終了するため、2012年度の介護報酬改定で交付金相当規模(500億円程度)のプラス改定が必要になる。
・保険料負担が月5000円を超えるのは望ましくない。
・介護報酬をプラス改定するには、「ペイアズユーゴー原則」により必要な財源を確保しなければならない。
・必要な(安定した)財源が確保できないので、税金(公費)の負担割合(5割)を増やすことはできない。
※「ペイアズユーゴー原則」
=新たな歳出増には恒久的な財源の確保が求められる
[第2号保険料の算定方法を見直す]
・第2号保険料の負担割合を加入者割から総報酬割に変更する(430億円〜640億円程度)。
[利用者負担を増やす]
・ケアマネジメント(居宅介護支援、介護予防支援)に利用者負担を導入する(90億円程度)。
居宅介護支援 月1000円
介護予防支援 月500円
・「一定以上の所得がある者」(介護保険料の負担段階第6段階以上)の利用者負担を2割に引き上げる(110億円程度)。
・要支援認定者の利用者負担を2割に引き上げる(120億円程度)。
[重度者、医療系サービスのために、軽度者へのサービスを減らす]
・軽度の要介護者への訪問介護では、掃除等に多くの時間が割かれている。
今後、介護給付が大幅に増加するので、重度者や医療ニーズの高い者に給付を重点化し、「要支援者・軽度の要介護者」に対する給付の効率化を検討する。
注:要支援者・軽度の要介護者
=要支援1、2、要介護1、2
注:給付の効率化
=サービスの利用制限
[介護予防ホームヘルプ・サービスは市町村事業に移す]
・要支援1、2と非該当を行き来する人には、保険者の判断により、介護予防・生活支援サービスを地域支援事業に導入し、配食サービス、特養等の食堂での食事の提供等が効率的に実施される仕組みを検討する。
注:生活支援サービス=生活援助
[施設サービスの低所得者対策を厳格化する]
・特別養護老人ホーム利用者の4分の3は、家賃と食費の自己負担について補足給付(低所得者対策)を受けているが、施設利用前に同居していた家族の負担能力や本人の資産を勘案する(20億円程度)。
[相部屋の家賃を自己負担にする]
・多床室の居住費(減価償却費)を利用者の自己負担にする。
・保険料負担第4段階以上の場合、月5000円の家賃を徴収する(40億円程度)。
[新設するサービス]
・「単身・重度の要介護者」に、短時間の定期巡回型訪問と通報システムによる随時の対応等を適宣・適切に組み合わせて提供する24時間対応の定期巡回・随時対応サービスを新設する。
・高齢者住宅に、24時間対応の定期巡回・随時対応型サービス、訪問看護、デイサービス等の介護サービスを組み合わせた仕組みを広く普及する。
[介護認定]
・必要に応じて介護給付費分科会で議論する。
[利用限度額(区分支給限度基準額)
・介護給付費分科会で必要な対応を図る。
[ケアマネジメント]
・利用者の意向よりも、自立促進型、機能向上型のケアプランを推進する。
・ケアマネジャーの資格、研修を見直し、ケアプランの標準化について別に検討会を設けて議論する。
・要支援者に対するケアプラン作成業務は、(居宅介護支援事業所に)業務委託できるようにする。
[リハビリテーションを優先]
・リハビリテーションにより高齢者の心身機能や日常生活の自立度をより高めてから、他の介護サービスを提供すべきである。
[有料老人ホームと高齢者専用賃貸住宅]
・一定の基準を満たした有料老人ホームと高齢者専用賃貸住宅を、サービス付高齢者住宅として高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)に位置付ける。
[特別養護老人ホーム]
・終の棲家としての機能に着目した評価をする。
[老人保健施設の評価]
・在宅復帰支援機能に着目した評価をする。
注:評価をする=介護報酬を引き上げる
資料2 制度見直し事項の財政影響試算
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000wspu-att/2r9852000000wt1q.pdf
・介護職員処遇改善交付金を継続する場合
1900億円程度
・被保険者を30歳まで引き下げた場合
670億円程度
・税金負担を5割から6割に引き上げた場合
7400億円程度
・調整交付金(5%)を外枠化した場合
4200億円程度
・補足給付(低所得者対策)を
税金(国と地方)で負担した場合
460億円程度
・地域支援事業を税金(国と地方)で負担した場合
290億円程度