「行方不明から安全に戻れることを願う会」会長からのコラムであります。
▼ボランィアセンターで伺った興味深いエピソードを2つ紹介します。
▼日頃から福祉活動に熱心でボランティア活動を生活の一部に取り入れ、臓器移植などにも理解を示すS子(45歳)さんがいました。
これは、彼女が運転免許証を紛失して、交番へ届けに行ったときのやりとりです。
S子「免許証を紛失しました」
警官『免許証以外になにか紛失物がありますか?』
S子「はい、アイバンクの登録証が入っていました」
警官「他にはありますか?」
S子「その次にジンバンクの登録証が入っていました」
すると「なにっ!」と警官の顔色が疑いに変わりました。
臓器移植制度の眼球登録制度を「アイバンク」腎臓移植制度を「ジンバンク」と申しますが、
これを続けて言うと「アイジンバンク」になるので、警官が「愛人バンク」と誤解したことによるものでした。
▼国際障害者年から10年ほど過ぎた頃のエピソードです。
私は折に触れて「障害者を私たちの生活領域から排除するような社会を弱くもろい社会と申します」
私達には「障害者の完全参加と平等へ向けた取り組みが必要です」そして
「障害者と向き合うときに特別な扱いは必要ありません」
「私たちと同じ人間として仲間として、普通に触れ合う姿勢が大切です」と説明していました。
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その成果でしょうか?健常者ばかりで運営するボランティア団体が障害者を同じ会員として何名か受入れるように活動形態を進展させました。
ところが、この会が行なった親睦レク行事「藻琴山登山会」のときのことです。
登りは全員が一緒に行動し、頂上でも昼食を楽しみました。
ところが帰路のとき、健常者はサッサと先に下山してしまいアイスを食べていました。
そこへ、障害者がはるか遅れて下山したそうです。
普通に接するとはいえ、弱者がいる場合の配慮の必要性を学んだ事例となりました。
福祉活動専門員 川窪政俊