取材と認知症の人々
昨日夕方、NHKの撮影が入った。
笑いと認知症の関係である。
グループホームは、9名とは言っても互いの間にストレスは生じる。
それは、認知症の人ばかりではなく、
生きていくこと事態が日々大きなストレスとの戦いである。
しかし、少しのストレスは身体への刺激となって良い事もある。
だが、認知症という昔の思いと現実の狭間で暮らしている人々にとっては、
まだ幼い子供への食事心配、家に帰らなければいけないなど・・・
当事一番、気がかりだったことがふと瞬間に襲ってくる。
そんなとき、奥のほうから笑い声が聞こえてくる。
今の気にかけていた瞬間から、
楽しい笑いの瞬間へと笑い声に誘われるように部屋から居間へと歩き出している。
笑いの力は、認知症という苦しさから穏やかな明るい日差しのあたる空間へと導きだす。
居間では、どこかで出会ったおじさんが大きな声で笑い声の掛け声を「一、二の三」と掛けている。
大きな声である。
「あんたも、すわんなさい」と優しく声をかけてくださる。
なんだか一緒に座っているうちに、
「そうだ。自分はここに来たんだ。」と思い出す。
知らず知らずのうちに自分も「あっはっはー」と笑うと、なんだか心の中がすっきりしてきた。
教育勅語も聞いたことがある。
隣のおじさんは教育勅語の時には、
それはそれは今まで聞いたことも見たこともないくらいの大きな口を開け、
背筋を伸ばして教育勅語を語りだした。
みんな、笑って唄って語って青年の頃に学んだ思い出を力強く豊かに過ごし,
教育勅語の後には日本の行く末を心配し力強く語りだしている。
昨日の取材時にも、なんだかお祭りのように皆がうきうきし、
面白い言葉の一言から電光石火のように大きな笑いがホームじゅうにこだまし、
家族も記者の人もカメラマンの人もマイクさんも、スタッフもみんなみーんな笑顔になっていた。
笑いは人と人との垣根を払っているようである。
2015年、2025年は必ずやって来る。
不安定な政治に頼らない自分達の老後、
65歳以上10人に1人の認知症、いや、もっと増えているかもしれない。
白髪になるように認知症になる確率は高いと思わなければならない。
認知症の人が住みやすい地域は誰もが暮らしやすい地域である。
日本の地域の随所にある地域密着型サービス施設がまず、先に音頭をとって地域を盛り上げていこう!
★★★
放送 3月2日NHK 14時頃予定