寄り添う介護は幼いときの母親の温かさと同格である。
(新人による朗読)
寄り添うからこそ、
安心がやってくる。
外に出ると、
どこかで見たような懐かしい昔の風景が蘇り、
言葉にならない思いが心の奥から湧き上がる。
認知症の人の言葉にならない心の声を探り、
形の無いものを求め支援を届ける。
★
どこにでもある光景だが、
この安定した時間の訪れは、
若年認知症と戦っているAさんにとっては随分と久しぶりである。
家庭の事情で、
あちらこちらと出かけることとなったが、
記憶は忘れても感情は確かに残り、
やっぱり馴染んだところが良かったと言わんばかりに、
落ち着きを取り戻している。
姉のような人々からも優しいまなざしをいただき、
感謝の気持ちが握手という行動までをも導き出す。
幼いときに、
体験した懐かしい母親の思い出と共に多くの人の心の中に湧き出る感情と、
寄り添う介護は同格であることを感じさせていただく。