コラムが届きました。

clip_image002.gif

初めての捜索から

 

 

 

▼認知症者のための捜索ボランティア団体である「行方不明から安全に戻れる事を願う会」が結成されて3か月が過ぎた7月初旬、所管する区域内の86歳の女性の家族から行方不明者の捜索依頼を受けました。

 

 

 

 

▼家族の説明では物忘れはあるが、しっかりした性格で認知症ではないが、足が不自由なので杖を

ついていて、遠くへ行けないはず。

 

 

 病院で難病の診察を受け支払いが終わった後『トイレに行く』と言って薬とバッグを受付に預けた後の行方が分からないとのこと。

 早速病院の駐車場をお借りして

捜索本部を設置。本会設立後初となる捜索活動の開始です。

 

 

 

 

 

 

▼駆け付けた20名の会員は池・河原をはじめ付近の一般道を調べて回ります。

 警察のパトカーがすでに出動していたので、道路上にはいないことを前提に、草村や倉庫の裏、物陰などを入念に見て回りましたが発見できません。

 そこで、捜索範囲を三輪から春光町まで市街全域に広げ、さらに彼女が良くいくお店や、お墓やお寺など思い出の場所などもまわりましたが同じ結果でした。

 

 

 

 

 

▼午後7時になり、あたりが暗くなったところで捜索を一旦終了し、夕食後は任意の有志数名で、さらに探し続けました。

 翌日、家族から「目撃者がいました」との報告を受けて、再度捜索本部を設置し、目撃箇所付近の住民に聞き込みをしながら探しましたが結果はやはり同じ、もう探すところがありません。

 午後からは警察犬が出動。

その翌日は消防署が池を捜索しましたが見つかりません。

 

 

 

 

 

 

▼家族と相談して、尋ね人の広告掲載や、FMオホーツクラジオでの報道依頼も行ってみました。

 そして4日目の朝を迎えた時。

 無加川付近の不明現場から4キロほど下流の淀みで、残念な姿で発見されたのでした…。

このような悲しい事故がおきないように願って結成したボランティア団体ですが、初めての活動がこのような結果になってしまいました。今後捜索技術の更なる研鑽を誓いながら、故人のご冥福をお祈りさせていただきます。

 

 

 

福祉活動専門員 川窪政俊