癒す力
砂山
海はあらうみ 向こうは佐渡よ
すずめ なけなけ もう日は暮れる
みんな呼べ 呼べ お星様でたぞ
♪
暮れりゃ すなやま 汐なりばかり
すずめ ちりじり また風あれる
みんなちりぢり、 もう誰も見えぬ
けっして広いと言えない空間でも、ゆったりとした気持ちで、つぶやくように歌を唄っていると、お年寄りが一人、二人と集っていただける。
認知症が進行し会話が単語的になっても歌で交流することができる。
歌から言葉を思い出す場面が多い。
1曲の歌は大きな力を呼び起こす。
福岡の酒造業を営む旧家に長男として生まれた北原 白秋、
自分に正直に、真剣に生きた苦悩から生まれた詩には癒す力が込められていた。
時代の変化と共に、
形の違った苦悩の中で生きている認知症の人の心に共鳴し癒しを授けている。
せめて、この世から白秋が貫いた事への賞賛をさせていただこう。