BPSDの原因は身近なことから
BPSD(認知症の行動・心理症状)は必ず原因がありますね。
それも、何気ない対応や環境からの影響がとても大きいのです。
幻視が見えること、奇声を上げ怒鳴り声と共に興奮することなど、
幻視が見えるときの本人の介護環境を考えました。
Aさんの睡眠は夜の7時頃入眠され早朝の4時頃には起きるのです。
薬も使わず、しっかり寝ているのですから素晴らしいことであります。
ところが起床と同時に、そのときの幻視に叫ぶ大声がひどく
スタッフたちは「一通りの興奮が収まるまではトイレ誘導も拒否する状態です」との報告でした。
そこで排泄状況を調べました。
ぐっすり寝ているので夜間、起こすと眠れなくなるのではないかと・・
スタッフの優しさであります。
そこで、自分等がAさんになった立場で考えてみようと提案しました。
「朝まで失禁があったら気持ち悪いね」と
「体が冷えるよね」と
大事な貴重な意見をいただき
その夜から夜間12時〜1時頃、体の動きを見て静かに声をかけ
「トイレにいきましょう」と優しく小さく声をかけていただきました。
たっぷりと寝た後の言葉かけでもあり 「うん」と
まったく問題なく起床され排泄後は静かに再度入眠されました。
翌日は早朝の幻視も奇声も怒鳴り声も、ありませんでした。
BPSDは「そんなことが」と思うことでも引き金となって起こりうるのです。
スタッフの素直な心に感謝であります。