夫婦は人生の同志
妻と会った瞬間ご主人の表情が明るくなり、
力強く握手され、目と目を合わせてお互いに満面の笑みでした。
5分間ほど離すことなく握手され、穏やかな時間が流れていました。
認知症看護リーダー 小林
人生の荒波を共に乗り越えてきた夫婦であっても
認知症という病気でやむなく離れ離れになる夫婦が
日本中には数え切れないほどいるだろう。
言葉は無くても
互いに働き続けた手は
共に田畑を耕し
子供の為にと働き続けた互いの人生の同士の手である。
言葉にするには軽くなり言葉では言い尽くせない思いが
二人を包みこんでいる。
しかし、
生きていく中では
いろいろなすれ違いから縁が切れる夫婦もいるが
認知症になり、
その離縁した記憶だけが無くなっている場面も多々ある。
他の面会者を見るたびに
妻が来ない・・
どうしたのだろうと・・
悩み心配する姿からわびしさと悲しさが交差する。
人生の学びは
大学でも学ぶことができなかった一番大事な生きる術を
今ある場所から学ぶことができる。
若者には
そこにある縁から
体を張って教えていただいているその人の
人生の縮図から学んでいただきたい。
認知症介護は
自分の人生の学びの場であり
夫婦はやがては人生の同志であることを。