人生を正面から
逃げることなく生き抜いた年長者は
多くの喪失感を味わってきた日々をさっぱりと捨て
いま
目的をもった一日が
今日という日の生きる糧となり
いつしか遠くに忘れていた
夢中になる喜びは
ゆっくりと流れる時に充実感を与え
仲間からいただくことばから
一人ではないことを感じさせていただける
元気でなくても
病気であっても
人として生まれた喜びは
やっと高齢になり
生きることに
弱みができたからこそ
感じることができ
一日が感謝で包まれる
大正・昭和・平成と生き抜いてきた年長者からは
柔らかな春の日差しのような温かさと
辺りには
茜色の夕日のような
深い静けさと穏やかさが漂っていた