たかが習字!されど習字!!

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デイサービスⅢ号館       

 

 

 

 

習字は、子供の頃には必ず学んでいた科目である。

 

 

 

いつしか永い人生で育んできたた宝が一つ一つ無くなり、

気持ちまで無くなりそうな病気と戦い続けている日々に、

「やってみませんか・・」との声に誘われ

 

しばらく考え「やってみようか・・」と一歩踏み出す心が動く。

 

 

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先生のお手本に集中し

漢字の読み方、書き方を思い出し

バランス、全体の構成を考え

 

「背筋を伸ばして!」と走馬灯のように当時の先生や親の顔が浮かび

1枚の半紙に集中する。

 

 

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先生の「ゆっくりでいいんだよ・・」と

低くささやくような心地良い声に誘われ

あらゆる力が一気に働き、手がゆっくり動き出す!!

 

 

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「書いたー!書いた!」と迎えに出た家族に一目散に駆け寄り

書き上げた作品を見せる姿は、背筋が伸びて自信に満ち溢れていた。

 

 

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身近な馴染の道具から多くの力が引き出され

負けないぞ」と律する心を今日も助けてくれている。

 

認知症は誰もがなりうる病気だ。

地域で支えるのは地域に住む自分へ向かう支えである。