たかが習字!されど習字!!
習字は、子供の頃には必ず学んでいた科目である。
いつしか永い人生で育んできたた宝が一つ一つ無くなり、
気持ちまで無くなりそうな病気と戦い続けている日々に、
「やってみませんか・・」との声に誘われ
しばらく考え「やってみようか・・」と一歩踏み出す心が動く。
先生のお手本に集中し
漢字の読み方、書き方を思い出し
バランス、全体の構成を考え
「背筋を伸ばして!」と走馬灯のように当時の先生や親の顔が浮かび
1枚の半紙に集中する。
先生の「ゆっくりでいいんだよ・・」と
低くささやくような心地良い声に誘われ
あらゆる力が一気に働き、手がゆっくり動き出す!!
「書いたー!書いた!」と迎えに出た家族に一目散に駆け寄り
書き上げた作品を見せる姿は、背筋が伸びて自信に満ち溢れていた。
身近な馴染の道具から多くの力が引き出され
「負けないぞ」と律する心を今日も助けてくれている。
認知症は誰もがなりうる病気だ。
地域で支えるのは地域に住む自分へ向かう支えである。