秋
(留辺蘂の夕焼)
待ち焦がれていた深緑の季節から
季節はめぐり
最後に茶に色づいた葉は
勢いを抑え
目立たぬようにひっそりと
周りの木の葉と調和するように深い味わいを出している。
人生の中には、プラスもマイナスも全てが必要であるように
プラスの場面では
『危ない危ない多くのマイナスがあるんだよ』と
奥にしまわれた心のささやきも届かず、
気がめいるような深いマイナスの落胆の時には
気づき得なかった
多くの大事なものがクローズアップされ
人生という大きなくくりの中では
貴重な時間の到来であった事が
木を支えている枯葉から最後のシグナルのように聞こえてくる。
辺りの景色を見ることは
その時の自分との対話であり
秋だからこそ、
人生の侘びしさも寂しさも感じられ
行き交う人とは自分の人生だけでは得れない
本からの学びと同様に多くの人生がある事を教えられる。