日のくれぬうち
今は亡き松原泰道氏の著書は、
とても読みやすく自己と対峙する場面を引き寄せていただけます。
同じ文章でも、その時の自分が抱いている感情、
周りからの影響等により、
同じ本でも、同じ文章でも心に働きかけてくるものはまるで違います。
これは、著書の内容が変化するわけではないですから、
いかに人間の心模様は変化しているのか。
また、変化し続ける自分や、
十年、一昔前の自分を引き寄せてみるのも
冷静に評価することにつながっていくようにも思えます。
夕暮れの風景にあっても
夕日に赤々と染まる山が時を待たずして
夕日が落ちていく光景は、まるで違う世界の入り口のように
車を止めた同じ場所で数分の出来事なのです。
生かされている一日が暮れぬうちに走らせていただくことに感謝し、
結果にとらわれず、
最期の瞬間は
二色の世界に染まった
夕闇の静けさのように心静かに暮れていきたいものです。