アイソン彗星とロシアの昔話「雪娘」
アイソン彗星は宇宙への期待感を高め
高めた分だけ意気消沈をさせることとなりましたが、
この一連の出来事から、
瞬間、
小学校の低学年の子供たちが吸い付くようにお話しに集中し
思い思いの姿で語り手方向へ目をよせ、
頭の中では映像を動かし、
微動だにせず聞き入るロシアの昔話「雪娘」を思い出しました。
当時は福音館の本を用いていました。
~ロシアの昔話 雪娘 一部回想より~
子供のいない老夫婦が、
外で走り回る子供らを窓からながめ「自分等も雪で子供をつくりましょうよ」と、
外へ出て雪娘をつくり始める話です。
おじいさんと、おばあさんはせっせと雪や氷で雪娘をつくりました。
手をつくり足をつくりキラキラと光る氷は目になりました。
可愛い女の子が出来上がりました。
・・・・
すると、その雪娘がいきなり動きだし
驚いたおじいさんとおばあさんは慌てて後を追いかけました。
・・・・・
赤い長靴や繻子のリボンを買いました。
おじいさんとおばあさんは“目に入れても痛くない”ほど雪娘を可愛がっていましたが、
春になって
凍っていた小川が音を立てて流れるようになっても
雪娘は外に出ようとはしませんでした。
・・・・・
心配したおばあさんは、
何度も何度も誘いに来る近所の子供らと森へ遊びに行くように伝えました。
やっと出かけた雪娘は、
木陰で小川の水に足を入れながら陽が落ちるのを待ちました。
日が暮れて
近所の子供らがたきぎを集め、
たき火の飛び越えごっこが始まりました。
そして、雪娘の番が来ました。
雪娘は躊躇していましたが近所の子供等は「どうしてとばないの・・?」と口々に言いました。
・・・・・
雪娘は思い切って飛び越えました。
・・・・・・
すると、
そこには
雪娘の姿はなく、
空には白くなった湯気がほそい一筋の雲となって上へ上へと昇っていきました。