グループホーム看取りの前の見守り期
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認知症対応グループホームでは、
90代後半の利用者様が静かな見守り時期に入りました。
看取りのケアの前には、
何段階か変化が現れてきます。
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いつも、食事には積極的に口を開けていただいていた方が、
口を閉じがちになり
更には舌でスプーンを押し返すようになると、
『いりません』と言う非言語的コミュニケーションの表出であり、
言葉を変えてみると、
ご利用者の体を張った意思の表れでもあります。
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しかし、10年前には認知症の人の終末は、
行き場がなく、
知識があるなしにかかわらず
看取りをやらざるを得ず
見守り時期には、
ホーム内では何とか食べていただこうと、
食べていただくことばかりを考えていた現実です。
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ふり返ると
こちらの言葉や対応に負け
『あんたらが喜ぶなら』と無理に食べていただいたのかもしれません。
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10年という経験から思えることは
『尊厳とはなんであるのだろう』と
突き詰めていくと
『生きることと自然死はひとつである』という結びつき、
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ホームの暮らしでは
自ら動けなくなっても
長年暮らした自宅へ
お元気なうちに一度帰宅する介護支援を尊重すること。
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これは、後に
残された家族へのケアでもあるのかと経験から多く思えてきます。
そして
終末の疲労させないケア、
支援のしすぎは、
こちら側の身勝手のようにも思えてきます。
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静かな見守り期に入ったご利用者さんは、
今までにも何度か体験しております。
今後も丸い目を更に大きくし、お元気に復活するようでもあります。
これはこちらの期待かもしれませんね。