介護は女優・男優と両者が必要です。
「いい女じゃ!」と、殺し文句の上手な男性Kさん90代後半の褒め殺しに“躁状態”になっている80代のMさんです。
若い頃から社交家だったKさんは、女性だけではなく、かかりつけ医男性までにも「いい男じゃ!」と褒めちぎります。
さすが人生の先輩と感服しますが環境の変化は心身の健康状態にまで及ぶのです。
季節の変わり目には早期に、うつ状態から食事拒否がいち早くみられていたMさんですが、この躁状態を穏やかにするのも環境の工夫が必要でした。
何と言っても高齢であるKさんには、100%の“動の時間”修了後は「奥の部屋へいきましょう。1時間ほどお体を休めてご飯にいたしましょう」と・・・耳元でささやくように優しく優しく誘導させていただくのです。
「はい!そうですか!わかりました。1時間ですね。寝ましょう!ねましょう!」と、どこまでも声に力があるのです!さすが漢方(抑肝散)を服用されている方と納得です。
納得する意味づけ介護は、服薬効果を大にします。
しかし男性介護者が、その様な言葉を使ってもはっきりと「いいえ!私はいきません!ここにいます!」ときっぱりとお断りをするのです。
女性には男性介護者、男性には女性介護者と、共に生きていく上ではどちらも必要な存在でした。
躁状態のMさんには安定の為に馴染みのある毛糸巻を依頼し穏やかな時間の経過となりました。
介護は“女優、男優”が必要のようで、介護者は尊厳を保ちながらも楽しむ心の余裕があると尚一層相乗効果があるようです。
今後は、環境の変化を適度な心身の活性化に活かしていきたいものです。