傾聴
傾聴
今年は、
スタッフ等と多くの話を聴かせていただいている。
親や家族のことが多いのも超高齢社会の現実である。
仕事以外のことが多いが、
課題解決策を講じるわけでもなく
傾聴に努めるのだが
この傾聴は、相手の存在を認める働きとなり、
たとえば逆に
否定的な目線で粗雑な対応をすることで、
相手は、その人の人生そのものを否定されたように感じるだろう。
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肯定的に受け入れることで
認知症を患う人であっても
認知症の人の気分の変化も少なくなる。
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☆
グループホームでは、
表情が曇った高齢者がどこかへ行きたい様子であった。
ちょうど、その場面で
『あらー』と過去情報からのことばを届けると、
ご自身の頑張っていた場所を思い出され
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着ている和服の上っ張りが素敵で褒めさせていただくと、
『 いいしょー。これねーつくったんだよー』と、
『そうですかーこれは、そうとう品物がいいですよ!』とことばを届けると、
当時を思い出され会話も成り立ち、
やがて、
曇っていたお顔もやんわりと笑顔が出始め、
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『そろそろお昼ですね・・今日はどんなごっつおうでしょう!お姉さん頼みますよ」と
砕けた言い方で話すと
スタッフも
周りもその方も笑い出し、
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手を繋いで歩き出すと、そのご利用者の席に他の方が座っており
『どこへいけばいいのだろうー」と、
自分の座る場所が不明だった事が判明した。
ほんの数分の出来事である。
☆
存在を認めること
頑張っていた人生を思い出すことで
その人の人生が蘇り
再び生きていく力を再燃できる。
ことばが成り立たなくても傾聴と丁寧な介護は一体のようである。
☆
スタッフも会話する事で
自分と言う存在を自ら確認し
話すことから自己解決方法を導き出すことや
解決できぬことでも
詰まっていた心に新鮮な空気が入るのだろう。
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☆
傾聴は、よりよい家族との関係をつくる場面においても、
友人や
ご近所でも
学校の先生にも、
親との対話にでも
自分から始まった人生を豊かにする肯定的なコミュニケーション技法である。