エーデルワイスのスタッフ達へ ◆●BPSDのある利用者様へのアセ スメントの重要性◆●
エーデルワイスのスタッフ達へ(来月の勉強会でもおこないます。)
21年4月7日デイサービスの出来事から学ぼう
私達介護者が介護をさせていただく時、その人をどこまで知って介護をしているのか、何度か同じ事を伝えていると思いますが「その人を知らずして行う介護は、具合が悪く病院へ行き診察をしないで投薬を受けることと同じ」と思います。つまり、それだけその人を知ることは重要ということです。
事業所を転々としてきたBPSD(認知症の行動・心理症状)のあるHさんが、利用後1ヶ月程過ぎた昨日、歩行が不安定にもかかわらず急に外へ行き怒りながら家に帰ると早歩きでスタッフは懸命についていますが興奮状態です。
この行動には、必ず原因があるのです。実際に聞き出していくと充分にありました。この方は何度、このような状態から苦情を伝えられ家族様も辛い思いをされたことでしょうか・・・
●原因分析のチエックを行いました。●
1.既往歴の確認
脳梗塞後遺症・高血圧
(脳血管性認知症なのか)
(専門医受診がなかった)
脳神経外科のみ
2.健康チエック
水分摂取量の確認
食事量の確認
排便確認
バイタル確認(血圧・体温・脈)。
薬の副作用等のチエック・睡眠チェック
3.環境チエック
その人を除いた全ての環境チエック
まわりのざわめき
介護者の言葉使い
温度
湿度
強い光
気に入る介護者が他の人の世話をしている
過剰な介護や少なすぎる介護
4.本人の心もよう
悲しみ
怒り
寂しい
今までの個人の歴史の中で消化されていない葛藤
もともとの性格の影響
★★★
・本人の生活からの価値観と今の生活でズレはないのか
・忙しく働いて来たけれども光り輝いてきた時代はいつなのか
・聞きたくない言葉・言われたくない過去を知っているのか
・その人は、いつも自宅でどのような生活をされていたのか、お昼寝はなかったのか
・今、受けているサービス内容が希望しているのか、自分の力が発揮出来る物なのか
・苦手な物を無理にさせようとしていないのか
◆ ◆◆
本人が言った言葉の記録から検証
・おればかり働かせて、兄貴もいるけど何にもならん!
・泥棒呼ばわりして
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上記内容のチエックからわかったこと
*認知症の中核症状からの場所が不明(場所の見当識障害)であるとともに理解力・判断力・記憶障害がありました。
*便秘気味で3日目に入っていました。便秘からの腹部のもやもや感を上手く伝えることが出来ずBPSDの原因となることが多くあります。
*自宅では昼の1時から3時までぐっすり寝ていました。本当に申し訳ないです。上手く伝えら得ない利用者様の最低限度の情報収集が欠けていました。
*環境では、ちょうど外出支援をする方が3名ほどおり支度をしていました。好きなスタッフが他の方の介護に集中していました。
*Hさんの言葉から家族様に伺いました。
兄弟と一緒に懸命に若い頃働きましたが、その中で働いている職員に気持ちよく働いていただくために細部にわたり心配りをしていたのは、ご本人だけだったのです。また、Hさんは兄弟の中でも下の方であり、頑張った良い結果は全部他の兄弟の成果として上がっていました。
30代〜40代ころの自分との折り合いがついてなく、気分が悪化するとその時の時代に逆戻りをしていました。
*ちょうど1ヶ月を過ぎHさんの対応に慣れてきたスタッフの行動や言葉がHさんにとっては記憶になく知らないところで、なれなれしい言葉に怒りも感じておりました。
★ Hさんの心の中★
なんだ、なんでこんな知らないじいさん、ばあさんの人ばかりの所へ来てしまったんだ。自分は家に帰って仕事をしなければ、無責任な兄さんには任しておけない。俺がいないとまた職員達がこまる。お金の計算が合わなければ泥棒呼ばわりされる。急いで帰ろう。外へいく人もいる。今一緒に帰らなければ・・・
何で、なれなれしくここへ座ろうと言うんだ!命令するな!お前なんて知らない!
さわるな。早く帰らなければ、家に帰ることができなくなるのではないか。・・・
いやだ!あっちへいけ!
●●●
認知症介護の対応は初回対応と同様の慎重さと丁寧さがいかに大事かを学んだ一瞬でした。
認知症介護は、とても手間暇のいる介護なのです!だから認知症対応型デイサービスであることを忘れてはならないのですね。・・・・少人数の意味が納得ですね・・・
認知症介護は、そう簡単ではありません。しかし、その人がなぜ、その様な行動に出るのか、必ず原因があるのだと思う心があると、必ず解決の糸口は見えてくるのです。
「あの人は嫌な人だ!また始まった!こわい!なにかされそうだ!」介護者がこの心をもつと、思いは伝染をします。不安をあおることになります。
体全身からの「だいじょうぶだよ!」と、ゆったりとした受容する介護者からのエネルギーがHさんに伝わるとHさんの心も穏やかに、子供がいきり立った後、しゅんとするように穏やかなHさんにもどります。
私達介護者はBPSDには原因があることを受け入れましょう。
人生の最終章で出合うことができたHさんです。辛い過去もまるごと受け入れて心を丸くなるような介護を提供していきましょう。
認知症介護は人間性の成長に繋がりますね。
忍耐と笑顔、昔し高校卒業の時に聞いた校長先生の言葉をふと、思い出しました。
《♪心の時間》1冊の本からの学び1人のアスリートが100mの全力走を2度計測しました。1度目は終始笑顔で走り、2度目は怒ったような、しかめっ面で走りました。
顔の表情を変えただけで、タイムには明らかな差が出ました。お察しの通り、笑顔の方が好タイムでした。いい表情がいい結果を招いたのです。
職員を指導する方法は、たくさんありますが「耳障りな指導」「間接的に気づきをもたらす指導」なにが良いのか、指導する方もされる方も互いの信頼関係を維持しなければ求めるものの成果は現れないのですね。
日々相手ではなく自分であることを忘れず修行途中であることの確認と、まわりのご縁を大切にしなければ・・と考える日々です。
明元素の言葉を忘れず頑張ろう!!
施設長