オンネナイ原野  利用者様作品と利用者様の言葉から  2.

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     ( 昨日に引き続き作品の紹介です。 )

 ご夫婦で通所のご利用者様の一日は
妻は皆さんに美味しい料理を提供したいと腕を振るい、ご主人は芸術にいそしんでいます。
互いの集中力は日毎に増しています。

 失敗のないクレヨンで下書きを行い、その上に水彩で色塗りをする技法から作品をその日に
取得することができたご利用者様は、更に水彩のみの難しい技法に挑戦をいたしました。

 強制のない自由な空間で行う巧緻動作は脳を活性化し、やる気や短期記憶を刺激し次回の水彩画を描く楽しみで通所を心待ちにしております。

 

 ★★★(”生ききる”大切さ)★★★

 多くのお年寄りは沢山の苦難を乗り越え、厳しい表情になる内的世界に入ることがありますが、父母や姉妹が存在していた幼い時代の会話になると、今までの表情とは違った温かい懐かしい表情に入る事があります。
普段の会話から聞くことのできない言葉が次々と出現し、別なスタッフがあわてて見えないように書き留めている場面があります。

 自分も認知症になったら、きっと幼いときのあの場面を思い出すのだろうと思う親友が昨日急逝いたしました。昨日、病気のことも何もかも・・・私の心の中では急逝でした。
友人は、昨年12月に体調不良となり余命6ヶ月と宣告され、友人は日毎にやせ細る姿を誰にも見せたくないと姉妹に伝えていたそうです。

 友人とは幼い頃からいつも一緒におりました。友人の両親が鮮魚店を営む店に行きホタテの「貝むき」を教えてもらったり「かに」をゆでる仕事を見せてもらったりと友人は子供ながらも家の手伝いをしておりました。統合中学校になるまで、ほとんど一緒におりました。高校卒業し初めて親元を離れホームシックにかかっていた私を友人は1週間ほど泊まりに来て「だいじょうぶ由美ちゃん、もうすぐ慣れるから・・・」と勇気づけてくれました。
 

 友人は真っ正面から病気と闘い、逃げることなく一日一日を大事に懸命に生き抜きました。自分の人生を最後まで全うする事が出来ました。
苦しくても最後まで生き抜いた友人は、エーデルワイスで看取った仲人ばあちゃんのように充実した時間と安らぎの中にいることと思います。

 何も出来なかった私は、お年寄りを少しでも「生きてて良かった」「ここにきて良かった」と思っていただける介護を提供し、その”徳を”親友に捧げたいと思います。

 今日、会いにいきます。・・・・