※トイレ誘導、されどトイレ誘導、うーん!奥が深い・・・※

 

 再度の軽度脳梗塞により前頭葉にダメージがあると言われているAさんの排泄パターンを何度も、くみとりますが人間の体はそう簡単にはいきません。

 戦後、今の人には耐えられないような努力をされてきたAさんにとって、他人からこうしましょうか・・と伝えられる言葉をそのまま受け止めることはできません。女手一つで戦後を切り抜け事業を成し遂げてくる過去には沢山の甘い悪魔のようなささやきがあったことでしょう・・・早くにご主人を亡くし、子供を立派に育て貞操を守り抜いたAさんには、例え介護とはいえ“下”に関わることには抵抗があって当たり前です。

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24時間シートが上手く手引きとなり誘導に成功する瞬間と、水分摂取量の確認や環境の整備を行い声をかけても「人間の体は、そう簡単に分析できるものではないぞ」と言わんばかりに、ことごとくはずれる瞬間と交差しています。

他の利用者様の泌尿科受診時には、このシートから普段の水分摂取量・排泄回数などの記録からお褒めをいただきスタッフが感激していましたが、まだまだ学習が必要なことを物語りA教授から課題を与えられています。

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前回の排泄確認シートを駆使し、なんとか機嫌を損なわず笑顔でトイレに入っていただきたいという思いが伝わるのか、Aさんは気配を先取りし「いかんよ!いかん!いかん!」と、ボリュームが最高潮になる「いかん攻撃」にスタッフの気持ちも撃沈です。

 お部屋へ行って写真を見せていただけますか・・・とスタッフは、なんとも優しい声をかけさせていただくのですが、「そんなもん!みたくないよ!」と、この奥の手も通じません。

 

 しかし、現場はそのような悠長な事を言っておられず、ズボンにはうっすらと滲んだ排泄で汚染されています。最後の手段で抱えられながら、トイレに行くまでには利用者様の大声に耐え「大丈夫ですよ・・」とスタッフは、ゆっくり声をかけていますが大丈夫でないのはスタッフの心中です。しかし、Aさんの過去を知り納得しているからこそ出来る介護です。カンファレンスの重要性が理解できます。

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「 たかが、トイレ誘導」「されどトイレ誘導」このトイレ誘導で撃沈するスタッフが多いのも事実ですが、どのような状態でも最後は何事もなかったように世間話で戻る姿には感服です。

 このような介護の後の「笑いの体操」は、ストレスからの交感神経を和らげ副交感神経を優位にする働きがあります。

「わっはっはっはっはー」と大声で互いに笑う姿にストレスもどこかへ飛んでいきます。

今日も笑いましょう。!わっはっはっはっはー

互いが幸せになる笑顔の「徳」に感謝です。