六波羅蜜の悟りへと
苦しさから人の温かさを知り、
苦しさから、
人は生まれる瞬間にいただいた“逃れる術”を思い出し、
「悪い夢を見たのだ。
自分よりも、もつと大変な人の為に頑張ろう」と、
暗い闇から朝一番の太陽の光に励まされる。
もっと大変だった人々は、
“命”があること、
たった一人でこの地球に、
生まれてきたことを思い出し、
「もう一度、命をいただいた、
生まれ変わった命だ」と、
亡くなった人々の笑顔を思い出し、
新しい人生の幕開けを描き出そうと、
叱咤激励を自分に課している。
被災を逃れた人々は、
日本人の血が蘇り、
「何とかしなければ、頑張れ、頑張れ」と、
子供から年寄りまで、
“善”の心が復活し、
血縁や、
日本人という強い絆が、
煩悩と迷いの世界から、
六波羅蜜の悟りの境地へと向かいだした。