人生の最期の舞台
食事が美味しい・・
早く戻りたい・・と言葉を残し、
ご縁のあった方がお亡くなりになった。
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料理は、人ぞれぞれ好みがあり
全員が『上手い!』と、
おっしゃっていただけるのは一番だが、
家族への強い思いや
思うようにならない身体からの
どこにも逃げ場がないふつふつと湧き上がる感情を
食事へ投入してくる場面も多少はあると思えてくる。
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〔昼) 〔朝〕
(夕食、すいとん) 〔昼〕
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しかしながら、
その場を離れてみると
その食事をつくるスタッフの笑顔や
その日の、ズッシリと重たかった気分が変わるような、
あったかい言葉と共に、
友人等の顔も、
暮らしていた雰囲気も思い出すと更に懐かしさを倍増させ
・
『早く帰ってあの食事を食べたい!
あの若い人ね、上手になったんだよ!』と
家族へも
残された人々へも、
エールを送るように、
また、安心させるような言葉を残されて旅立っていかれた。
◆
デイサービス絆さんから、
いただいていた山のような写真集の中から、
ご家族が選び
絆さんでは、忙しい中、家族様注文のネガを探していただき、
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写真屋さんは、
一流のモデルのように美しい笑顔写真に仕立てていただき、
一枚の写真に家族と関係者と時間を費やしたからこその、
ご家族と共に感動の時間をいただいた。
◆
息子さんは母親を偲ぶように、
『明日の額に入った告別式の写真もまた、いいのですよ。』と、
母親への深い愛情を感じる場面となった。
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お通夜では、隣に絆さんの管理者さんも同席され、
『長い間、通っていただきました・・』と
眼を赤くされながらも、
『まだ、まだ、写真があるんですよ。お上げしたいと思うんです』と。
◆
一つの縁をたぐると
人生の最期の大舞台に多くの人等との深いかかわりがあり
どの方々も深い愛で接していただけたことに、
○○さんの人生と、
亡きご主人の地域ボランティアへ投入されていた当時のお顔が重なった。