目標指向型リハビリの導入が心と体を動かしました。
デイサービスの利用者様が、職員と共に階段をせっせと登り意欲的にホームへ碁の勝負にやって来ていただいた。
いつも「誰かいませんかネー」と、あまり強くて相手がいなくなってしまったK氏のもとへ2名の挑戦者がお越しいただいた。
★
ただし、1名の挑戦者は、あえてエレベーターを使わず階段を一歩一歩上るのだが、階段を上る苦痛は何もない。「碁」のことで一杯だからである。いつもより足の上がりは良い。しかし「あの人は確か強い人だったナー、おれは全くだめだー」と挑戦する前から弱気である。
顔合わせも終了し、待ちかまえたK氏から「さーやりましょうかー」と、やる気満々のエネルギーに触れると「だめだーだめだー俺は弱いからー」と、96才の熱気に負けてしまった様子である。
★
そこへ「デイサービスでは強い人が平日は来ないのではないか、忙しいから休日の日曜日に来ているのではないかと」話していた意欲的な挑戦者が、階段をもくもくと上がりスタッフに付き添われるのだが、部下を引き連れているように意気揚々である。
部屋では、待ちかまえたK氏が笑顔で「いらっしゃい!」と威勢良く出迎える。
先発の挑戦者は、ほっとした表情で席を譲る。
まさに、巌流島の武蔵と小次郎の戦いである。
互いに目と目を合わせるのだが、笑みの奥は鋭い眼光が・・・
戦いは席に着くと同時に始まった。
先発の挑戦者は、何とか戦いを免れほっとした表情の中「いやーこの人強いもナー」と、ようやくはっきり思い出した名人を前に敬服している。
★
一局のテンポは早く100メートルを全力で走り出している様子である。
互いに、あのおもしろいK氏からも言葉はない!無言で真剣勝負である。思わず、脳の中はどのように動いているのだろうと覗いてみたくなる。
秒読みもする暇もなく2局の対戦で勝負は・・・何と!互いに1勝1敗の理想的な勝負結果となった。
負けたことのない挑戦者は早くも帰るという。もう少しゆっくりしていってはどうですか・・と伝えるが、精魂を使い果たしたように「いえ、私の所は1階の下ですから」と、静かな口調で心は隣のデイサービスへ行っている。
★
それじゃ、また来てくださいね・・・と、伝える暇もなく階段からスタッフが支えようとするのだが手すりにつかまり、一段ずつ急ぎ足で降りて行かれた。
挑戦者2名と会うことができたK氏は、ゆっくりと満足気に♪「ハードント、ドントドント、♪波乗りコーエーテー♪」と、いつものテーマ曲を歌い、寝入る間もなく高いびきで休む事ができた。
目標を絞り込むと、体は”能動的に意欲と共に動き出し”更に脳の活性化と適度な疲労感が訪れ在宅へ戻られた挑戦者1名も、ぐっすりと就寝出来ることとなった。
1階の挑戦者も自席に戻り周りの人達に出来事と感想を述べていた。
「いやーつよいの、なんのって、すごいもんだ」と・・・・変化のないホームの中の新鮮な空気を楽しむように・・・
★★★ひとり言★★★
翌朝、居宅の所長が「ありがとうございます!良かったです!どうしたらよいのかと思案していました」と!出勤前に立ち寄って自分の事のように喜んでいただいた。
プロ意識を感じ、嬉しい新鮮な心持ちをいただいた。
互いの地域密着型サービスだから出来るサービスである。
たくさんの資源が目の前にあってもどのように活かすのか、
活かす・生かす・・・”いかし方”が試されている・・
今日は、残りの大きな男爵いもの種植をしよう・・
プランの目標達成にもなるかな・・
運動量の確保は、どのルートにしようかな・・考えるだけでも楽しくなる・・・