重度で入居されたご利用者へのアプローチ
認知症の進行により意思疎通が困難なご利用者への対応は、
笑いの体操は初期には難しいものです。
私たちが旅先で知らない人から話しかけられたときと同じように、
緊張と護りの体勢に入ります。
施設等でも同じであります。
記憶は忘れても感情は残りますので、
すこしづつゆっくり本人のテリトリーを犯さず、
良い感情を積み重ねていくように支援をいたします。
認知症の進行により話の脈絡がなくなりますが、
会話の最後の言葉を親しみをこめ、
すべてを受け入れるという体勢で同じ言葉を送ります。
会話にならなくても鋭い護りの表情が一瞬和らぎ、
受け入れる瞬間と出会います。
それは、見知らぬ土地で困っている場面で優しい笑顔の人と出会ったような瞬間のようであります。
その積み重ねの中で信頼関係が構築されると、
笑いの体操の時間には声はだしませんが、
ニコニコと笑顔で座っているご利用者と出会うことができます。
笑う表情だけでも脳は”笑っている”とキャッチされるのですから、
ナチュラルキラー細胞が活性化するようであります。
どのような社会においても信頼関係の築きは落ち着きと互いの環境が保つことにより、
互いのストレスが緩和されますね。