認知症ケアをマスターしよう!
5.少しでも「快の刺激」を。
不快がつのると、落ち付きのなさや苛立ちが高まり、抑えきれなくなりがちです。
a.. 時折、一緒に窓の外をみる、玄関先等に一緒に出て、空を眺めたり、戸外の空気を深呼吸するなどでリフレッシュしましょう。
a.. 手足・首筋・腰等を温める(温めるものがない場合は、掌をこすって暖め、そっと手をあてる)、さするなどで、本人が落ち着くことがあります。
a.. 触ったり、抱いて気持ちのいいものを本人に渡すのも一策です。例)やわらかいタオル、なでて気持ちのいいもの、膝や太腿の上に暖かいもの、抱き心地のいい毛布、等
a.. 本人の好きな歌、なじみの歌、わかりそうな歌を口ずさんだり、一緒に歌ってみましょう。
a.. そばにいる時は、本人の目をみて、そっと微笑んで・・・一瞬でも、とても大切です。
6.体を動かそう
じっとしたままだと、筋力の低下や血流の滞り、風邪などにかかりやすくなります。
a.. 同じ姿勢を続けずに、時々姿勢を変えたり、体を動かすように声かけしましょう。
a.. 足首を回すよう声かけしましょう。一人でできない場合、やって見せたり、手助けを。
a.. 時々、一緒に伸び伸び、体を伸ばしましょう。
7.落ち着かない場合、抑えるのではなく、早目に本人にそった対応を。
声をだす、立ち上がる、動き回ろうとする場合、抑えようとすると逆効果です。
a.. 本人がどうしたいのか、そっと尋ねてみましょう(本人なりの要望や理由があります)。
本人の要望に応えられない場合も、否定しないで、まずは、要望を親身に聴き取りましょう。
a.. 何もすることがないと落ち着かなくなりがちです。本人のできそうなことを活かして、
本人が力を発揮しながらエネルギーを発散できる場面をつくり、感謝を伝えましょう。
(例)一緒にたたむ、片付けをお願いする、運ぶ・拭く・配る手伝いをしてもらう、
見回りや監督役を一緒にお願いする、子供たちや赤ちゃんのそばで見守り役をお願いする等)
a.. 落ち着かなさ、興奮等が高まった場合は、関わる人を限定する
(いろいろな人が関わると混乱を強める)
関わる方が落ち着いていると、本人も落ち着くことができます。
(例)笑顔とアイコンタクトを。静かな場所で過ごせるように身振りで誘導する、
本人が安全に歩き回れるようにそばについて歩く。本人が嫌がらないか反応をみながらそっとタッチし、ペースダウンをはかる、など。
8.本人を見守る家族や介護職員が解放される時間の確保を、
現状や要望の確認を
家族や職員は、本人から目を離せず、周囲に気を使い想像以上に消耗しがちです。
a.. 本人の言動に対し周囲の人から苦情がでないよう、周囲の人たちをねぎらい、
理解と協力をお願いしましょう。
a.. 家族や職員が、トイレにいったり、飲食、休憩、仮眠などの際、安心して本人のそばを離れられる(解放される)よう、
周囲の支えが必要です。(注)やむを得ず目を離したすきに、本人が避難所から行方不明になったケースがあります。
a.. 短時間でもいいから本人の見守りを交代しましょう。
b..
その場合、本人がしっかりしているようでも、本人から目をそらさずに、 そっと見守りましょう。
家族と交代する時に、本人が好む呼び名、好きな話題を教えてもらうと、会話をしやすくなります。
a.. できたら避難所の中にいる認知症の本人となじみの人
(家族、職員、近所の人等)が集まって一緒に過ごせる一角を確保し、一緒に見守ったり、交代で休む体制をつくりましょう。
a.. 定期的に巡回し、本人の状態の確認をするとともに、家族、職員、そして本人の要望を具体的に聴き取りましょう。
互いの心身をいたわって、一日も早く普通の生活に戻れますように