縁”えにし”
介護雑誌5月号おはようウォッチングに利用者Aさんが大きく掲載されました。
Aさんはスタッフへ、ごぼうのささがきの指導を行っている場面であります。
Aさんは、まだ入居され数ヶ月しか経過しておりませんが、
雪が降るのを見ては、
「いやーよかった。ここにいたら雪投げしないでもいいもねー」と、何度も繰り返し言います。
まるで、ここにいる理由を見つけ納得させているようでもあります。
時には苦労され嫁いだばかりの時代を昨日のように思い出し、
「○○には、帰さないでね」・・と、
スタッフに哀願するように頼みます。
Aさんの一生が、めまぐるしく訪れている様子であります。
楽しいことのみならず、苦しいことも訪れる認知症の人にとって、
苦しい思い出が昨日のように思い出すことは、辛く切なくなります。
Aさんは、留岡幸助氏が設立した家庭学校の敷地の中に実家がありました。
家庭学校でのクリスマスへの参加は、
今も懐かしく、声も一オクターブ高くなり、
少女時代を彷彿させるように語り始めます。
Aさんの人生での豊かな思いでは、
留岡幸助氏を勉強会で学んだスタッフ達にとっては、
身近に話を伺いながら介護者の心も小躍りする時間に浸れます。
娘さんは、Aさんの大きく掲載された本を喜んでいただき、
大事に抱え喜んでいただくことができました。
記者の方は、まとまりのない話でしたが内容を”縁”(えにし)と名づけていただき、
日ごろ思っていた介護と重なり、とても嬉しく思います。
認知症は誰もがなりうる病気であり、
早期発見、早期診断から
その人らしい生活を維持することができます。
介護者等が、もう少し、もう少しと我慢をすることは、
認知症の人の症状を悪化させ、診断時には悪化しているケースが多く見受けられます。
早期の受診、介護認定から制度をうまく利用していくことが、
在宅生活を継続する一番のコツでもあります。
在宅介護は、几帳面な方ほど早く疲弊してしまいます。
認知症の在宅介護は長丁場と考え、いかに手抜きをさせてあげれるのか、
周りの方の理解と協力が大事であります。
いまや、認知症の人を視点にあてた地域つくりは、
災害時のまとまりや、弱者の人々も誰もが暮らしやすい地域となります。
明日は、いよいよ「行方不明から安全に戻れることを願う会」の
捜索周知機器を北見トヨペットさんからいただく贈呈式があります。
北見市内の各企業様のお力をお借りし捜索活動のモデル事業が発進しようとしております。
行動をすることから、夢が現実となり道は開けること、
一度の人生を何倍にも楽しむことを目標にすると、
目の前の困難は、
生きるエネルギーに変わることを年齢は関係なく、
生かさせていただくことに感謝であります。