お泊りデイサービスの行方

 

 

【お泊りデイサービス】

 □どこへゆく「お泊まりデイ」 国と都がそれぞれ基準を策定
  男女雑魚寝、何年間も泊まり続ける利用者も 厚労省の調査事業は始まったが…(2011.05.26キャリアプレイン

 

 

 

 

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■男女雑魚寝、何年間も泊まり続ける利用者も

 お泊まりデイには、介護保険施設などを利用できなかったり、所得が低かったりする高齢者が、比較的低い自己負担額で一時的に宿泊しているといわれる。

 

 

 

 

しかし、お泊まりデイの視察を続けてきた共産党の大山とも子都議会議員は、「一部には、高齢者が“劣悪”な環境での生活を余儀なくされている事例がある」と話す。

 

 

 

 

「ある民家改修型のお泊まりデイでは、同じ部屋に布団がすき間なく敷かれ、プライバシーを確保するための仕切りもないまま、男女が一緒に寝ていました。何年間も連泊する人もいました。

 

 

 

 

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また、他の事業所では、日勤、夜勤、日勤、夜勤と36時間を超える労働をしている職員も見られました。こんな労働環境では、利用者へのサービスにも悪影響を及ぼしかねません」

 

 

 

 

 

 

 家族介護者支援のための緊急・短期間の利用ではなく、長期間にわたって宿泊し続けている利用者らの存在。それでも、利用者や家族の高いニーズを背景に、お泊まりデイの数は増加の一途をたどっている。

 

 

 

都の担当者は、「都内では毎月10を超える新規事業所が立ち上がっているのではないか。

 

 

 

 

 

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既に200を超えるお泊まりデイがあるとみられる」と話す。中には、全国規模では2000もの事業所があると指摘する関係者もいる。こうした増加の背景には、

 

 

 

 

 

 

▽小規模の通所介護事業所は、通常型に比べて初期投資が安く済む

▽宿泊サービスにより、前後の通所介護を利用することが多くなれば、事業所の収入が増える―といった、利益が上がりやすい複合的な構造があるという。

 

 

 

 

 

 

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■厚労省の調査事業は始まったが…
 こうした社会的背景などを踏まえ、厚労省は当初、お泊まりデイを12年度から制度化する方針を掲げ、昨年8月の今年度予算の概算要求では100億円を計上した。しかし、介護現場などから反発の声が上がってトーンダウン。

 

 

 

 

最終的には、今年度予算の中では「デイサービス利用者の宿泊ニーズ等に関する調査事業」として、約10億円が計上されるにとどまった。

 

 

 

 

 この調査事業では、通所介護事業所や有床診療所が実際に宿泊サービスを提供し、利用者やケアマネジャーらの評価、掛かったコスト、事業所職員に与える影響などを検証する。

 

 

 

 

 

 

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運営主体は市町村で、厚労省では50市町村程度での実施を想定している。しかし、この事業に応募する市町村の数は少ない。

 

 

 

 

4月中旬に締め切られ、下旬に内示された第1次の募集に応募した自治体は、わずか4市町村にとどまった。第2次募集は5月13日まで受け付けられ、その結果は5月末に内示される予定だ。

 

 

 

 

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■厚労省基準、連泊は「2泊が上限」

 調査事業の実施に当たり、厚労省は、事業所が宿泊サービスを提供する上で守るべき基準を例示した。

それによると、利用回数の上限は月4回で、連続して宿泊できる日数は最長で2泊3日。

 

 

 

 

 

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また、宿泊部屋の設備基準については、パーテーションで区画を設け、利用者の安全やプライバシーに配慮する必要があるとした。このほか、

 

 

 

▽夜勤職員の1人以上の配置

▽協力医療機関などとの連携

▽看護職員との連携体制の確保―などの基準を定めた。

南船北馬 2011.05.30  より抜粋

 http://www.hayakawa-planning.com/hajime.html 

 

 

 

 

 

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