確固たる考えを持つ年長者の働きは地域救済へと
年を増すごとに記憶は乏しくなるが
懐かしい雰囲気の環境や
香り、音楽、友人等により、
それが誘引となって嬉しい昔の記憶の場面と出会うことがある。
しかし、
認知症の進行と共にその働きから記憶につながることは
初期の段階においては残されていても
誘引から導引することは難しい場面が多い。
そこで第三者が、その人の歴史を知り
風や香りや一曲の歌等の力と共に
少しだけ記憶の情報を部分的に届けることで
認知症の人自身が
自ら能動的に 記憶を取り戻すことができる。
それは、まるで
真っ白に霧かかった道路で、
やっと目の前に道が現れ
光が射したときのように
何ともいえない すがすがしさが訪れる。
年を重ねる自然の摂理からも
思考を変えてみると
「少しずつ認知症の準備に入りかけているのだよ!」と
事前に教えていただけているようにも思われる。
その教えをもとに
”住み良い子供や年長者の町”をキーワードに紐解くと
静かに考え、疲れた足を休ませるベンチの配置や
外灯の明るさ、速度制限の立て札、
子供や年長者には危険な川や伸びきった草など、
年を重ねたからこそ発信できることに結びつく。
人生経験豊かで確固たる考えを持ち
社会をリードしてきた年長者こそ、
地域の旗振り役となり、
未来ある地域つくりに勤しむことも
自身の活性化と共に
”もう一つの生き方”となり
人生に二度チャレンジすることができる。
年長者ならではの発信は
新しい日本つくりの礎となっていくのだろう。